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執筆者の写真CTF Japan

アーティストである神

更新日:2023年4月24日

by 土屋 貴大



「神様」って、どんなお方ですか?

人それぞれ神に対するイメージは異なり、その数もきっと1つではないでしょう。聖書を通して抱く神のイメージもあり、人生の色々な場面において、神とどのように関わり合うかという「経験」によって、神に対するイメージが変わることもあるでしょう。


答えはさまざまですが、神を「アーティスト(芸術家)」のようなお方として見ることもできるのではないかと思います。


「さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。」創世記1:26


神は万物を創造されたお方です。この宇宙、地球、海と大地、すべての動植物は神が創造されました。空に輝く太陽や、夜空に輝く星たちも、すべて神の作品です。そして、私たち「ヒト」もまた、神によって創造されました。



「それはあなたが私の内臓を造り、母の胎のうちで組み立てられたからです。私は感謝します。あなたは私に奇しいことをなさって恐ろしいほどです。私のたましいは、それをよく知っています。」詩篇139:13



聖書の中でダビデは、このように自身の体が神によって造られたことについて賛美しています。ですが、果たして「恐ろしいほど奇しいこと」とは、一体どのようなものなのでしょうか。「ヒトの体の複雑さ・緻密さ」は、遥か昔の時代に生きたダビデにとっては、たましいで知ることはできても、実際に目で見ることはできなかったでしょう。しかしながら、ここ100年ほどの研究によって、人類はダビデが知ることのできなかった神の「アーティスト」としての驚くべき御業の一端を見ることができるようになりました。


今回は、ヒトの体の中でもとりわけ複雑かつ緻密で、未だに多くが謎に包まれている器官である「脳」にフォーカスを当てたいと思います。



脳の中に見る神のアート(芸術)

脳の中の神経細胞は、大人ではおおよそ100,000,000,000個(一千億個)もあると言われています。グリア細胞と呼ばれる細胞は、さらにその50倍ほどあると言われています。脳はものすごい数の細胞が集まってできた器官なのです。しかも、これらの細胞は単にまとまって存在すれば良いわけではなく、極めて秩序正しく配置されており、絶妙なバランスを保つことによって、脳の機能を正常に保っています。



ここで1枚の画像をお見せします。



これは、1906年にノーベル賞を受賞したカハールという人が描いた脳の神経細胞の一つ、「プルキンエ細胞」のスケッチです。


画像の下方にある一番大きい黒い部分から、たくさんの突起が張り巡らされているのが見えます。この黒い部分の中には核があり、その中にDNA(遺伝情報の本体)が格納されています。そして、まるで木の枝のように張り巡らされている無数の突起を「樹状突起」と言います。自然の中にある木と神経細胞の形が似ているというのも、これらを造られたアーティストが同じ神だからかもしれませんね。


このプルキンエ細胞という神経細胞は、私たちの運動学習に重要な働きをしています。


例えば、赤ちゃんは立ち上がっても、最初のうちはすぐ転んでしまいます。このとき、プルキンエ細胞の樹状突起には、他の神経細胞からさまざまな情報(例えば、右足にこのくらいの力を入れたら転んでしまった、というような情報)が伝達されます。赤ちゃんが何度も何度もエラー(転ぶこと)を繰り返すことで情報が蓄積され、これを記憶していくことで脳は次第にエラーを回避できるようになり、最終的に歩けるようになるわけです。




ここでもう1枚の画像をお見せします。


これもプルキンエ細胞ですが、先ほどとは違い、これはスケッチではなく実際の写真です。


実は、このプルキンエ細胞は小脳の中で、綺麗に1つに並んでいるのです。これまた不思議なことに、なぜかプルキンエ細胞は一箇所に集まって列をつくっています。実際にはかなり複雑なシステムなのでここでは説明はできませんが、この小さな一つのことだけでも、神の奇しい業としか言えない、小さくて偉大な芸術なのです。


今日、皆さんはこの文章を読むためにケータイやパソコンを指先で操作したと思いますが、その動作でさえ、このプルキンエ細胞なしでは不可能です。また、私たちの行う1つ1つの動作は、脳の神経細胞同士の絶妙なコンビネーションによって生まれています。そして、その根底には神がデザインされた神経細胞の形や配置などがあるのです。


このように、一見複雑なようで秩序正しく、そして美しく機能的な「脳」というシステムを構築された神は偉大なアーティストであり、研究者たちは驚かずにはいられません。脳の中の細胞一つを見るだけでも、神の芸術と計算し尽くされた緻密さ、それを創られた想像を超える知恵と力が伺えます。私たちは「ヒト」について知れば知るほど、神の偉大さを知るのです。ダビデが感謝したように、緻密・精密に私たちを造ってくださった神に感謝しましょう。



「主よ、あなたが私を胎内で緻密に、精密に、美しく組み立ててくださったことに感謝します。今あなたを思うことができるのも、息をできることも、全てあなたの御業です。この手が動くのも、目が見えるのも、食べることができるのも、全てあなたの御業です。あなたに与えられたこの命が尽きるまで、主よあなたに感謝し、賛美します。」


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